2017年12月11日月曜日

プログラム説明「問題解決療法」

キウイでは、認知行動療法をプログラムとして取り入れています。
認知行動療法をより詳細にしてみると、認知再構成法や曝露療法など様々なものがあります。
そして、12月8日(土)は、それら様々ある認知行動療法の中から、「問題解決療法」をプログラムとして行いました。

問題解決療法は、ずばりストレス場面(問題)へのより良い対処を検討していく療法です。
具体的なステップとしては、下記のとおりです。

①問題状況を具体的に把握する
問題となっている状況を具体的に捉えていきます。
それこそ、「いつ、どこで、誰がいるときに、何が、なぜ、どのように」というレベルで詳細に捉えることが重要です。

②問題解決に向けて、自分の考えを整える
問題解決に取り組もうと思っても、「なんかだ怖い」「どうせ無理に決まっている」っというようなことを考え、なかなか解決に向けた取り組みを行えない時があります。
そのような時は、自分の考えを整えることが事前準備として、必要です。

③問題状況が解決または改善された状況を具体的にイメージする
問題状況が解決または改善された状況を具体的にイメージするとは、つまり、目標を設定するということです。
具体的なイメージを持てることで、より現実的な目標を設定することができます。
無謀な目標を設定してしまうと、それはそれで、問題に対して取り組むことに尻込みしてしまいますね。。

④問題の解決・改善のための具体的な手段を考え、検討する
目標を設定したら、いよいよ問題を改善するための具体的な手段を検討します。
まずは、ブレインストーミングで、できるだけ多くの手段を出し、その後、それら手段に対する有効性や実行可能性を検討します。

⑤行動実験のための具体的な実行計画を立てる
具体的な手段を考えたら、それら手段を組み合わせて行動計画を作ります。

8日のプログラムでは、④のブレインストーミングをグループで行いました。
グループで行ったことで、自分では思いつかなかった手段を知ることができたのではないかっと思います。
また、どの参加者の方も休職原因や現在、困っていることに対して、取り組んでいただきました。
それらに対する、行動計画が完成したことで、参加された利用者様の自信になったのではないかっと思います。
実際に、「今日作った行動計画をやってみようと思います」っとお話になっていた方も多くいました。
おそらく、今回作成された行動計画は、実際にやってみるとうまくいかないこともあるかと思いますが、うまくいかなかったら、その時に、どこがうまくいかなかったのか振り返り、行動計画を修正して、再び実行していただきたいっと思いました。
そのような繰り返しによって、利用者様の再休職予防につながるのではないかと思います。



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2017年11月14日火曜日

相談相手をつくること

厚生労働省では、11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過労死等をなくすためにシンポジウムやキャンペーンなどの取組を行っています。
そもそも「過労死等」とは、”業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡またはこれらの脳血管疾患、心臓疾患、精神障害”のことを言うようです。
そのため、業務における強い心理的負荷による精神障害も、この過労死等防止啓発月間の対象となり、リワークを運営するスタッフとしても興味深い取り組みだと感じました。

過労死等防止啓発月間に加えて、厚生労働省は、「過労死等防止対策白書」を作成しています。
平成29年版過労死等防止対策白書によると、"仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は、平成 27(2015)年は 55.7%"であるそうです。リワークで働いていると、仕事でのストレスをお聞きすることが当然ですが多いので、この55.7%という結果は低いなあっという印象を受けました。労働者の半分くらいの人が、ストレスを感じることなく働けているということなので、そのような労働者とストレスを感じてしまう労働者には、どのような違いがあるのでしょうね。

また、”「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる」とした労働者のうち、その内容をみると、「仕事の質・量」(57.5%)が最も多く、次いで、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」(36.4%)、「仕事の失敗、責任の発生等」(33.2%)”とのことです。この結果は、リワークスタッフとして利用者様と接している実感と一致するように思います。

そして、”現在の自分の仕事や職業生活でのストレスについて「相談できる人がいる」とする労働者の割合は 84.6%となっており、「相談できる人がいる」とする労働者が挙げた相談相手は、「家族・友人」(83.1%)が最も多く、次いで、「上司・同僚」(77.9%)”とのことです。ここで注目した点が、「相談できる人がいる」とする労働者が84.6%いるということです。うつ病や不安障害などになることなく、問題なく働けている方にとってみれば、相談できる人がいるのは当たり前と思われるかもしれませんが、リワークに通われる方の中には、「相談できる人がいない」と話される方も多くいます。また、良い相談相手になりえる「上司・同僚」に対して、苦手意識を持たれている方も多いように感じます。

そのような方に対して、リワークでは、まず「相談相手になること」が大切だと感じています。相談相手になるのは、なにもスタッフだけではありません。以前の投稿(ピアサポートに関するプログラム)でご紹介した「ピアサポート」のような、同じ立場にある利用者様も相談相手になりえるでしょう。そのようにして、相談相手になったら、次は、リワーク以外の場で相談相手を探したり、作ったりすることが大切で、どのようにしたら作れるか考えることもリワークでは重要だと思います。


そのような関わりが、リワークにおいては必要だと、この白書を見て、考えました。


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2017年10月17日火曜日

ピアサポートに関するプログラム

皆さんは「ピアサポート」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
主に、教育系でよく耳にする言葉ですが、他にもさまざまな分野においてピアサポートの重要性が挙げられています。
①小・中・高校の学校
②大学
③青少年活動
④成人のコミュニティ(子育て中の母親、精神障がい者など)
⑤ビジネス・企業・組合
⑥国連・ユニセフなどの国際組織  

ピアサポート(peer support)の「peer」は同じ立場にある仲間、「supprt」は助ける・支援するという意味があります。
そのため、単に学校の領域だけではなく、幅広い世代や領域で、仲間同士での支え合いの活動として行われています。
かたやまクリニックのリワークデイケアでは主にうつ病の人が復職するため、社会に復帰するために参加しています。
ピアサポートの概念を通して見ると、専門家ではなく、同じ精神疾患を抱えている者同士だからこそ、分かり合える部分も大きいのではないかと考えています。

今回、1つのトレーニングを紹介します。「感情のふれあい」というトレーニングです。
我々は他者の感情を読み取る際にどんなものを情報をするでしょうか?
相手の言葉や、表情、動作、しぐさ、声の調子などさまざまです。
「そのときは非常に悲しかったんです。「悔しい思いをしました。」など相手の言葉から感情を聴き取ることができれば理解も簡単ですが、
微妙な感情や気持ちであるほど言葉では表現できず、むしろ非言語から感じ取ることが多いのです。
そのため、日常生活の中では相手を理解できていると思っていながら、理解できていないばかりか、誤解している場合も少なくありません。
話し言葉でも誤解があるくらいですから、非言語的な表情・しぐさ動作からの理解はますます誤りが多くなることも事実です。

「感情のふれあい」というワークでは、ある感情に自分はどのような反応をして、表現するのか。また他者はどのような表現をするのか。そして実際の対話の中で感情を確認し合うことを体験していただきました。

まず、感情を表す言葉にはどんなものがあるかを各々で出していただきました。
例えば「怒り」を表す言葉であれば、イライラ・ムカムカ・不愉快・むかつく
「喜び」であればドキドキ・ワクワク・嬉しい・楽しい
「悲しみ」を表す言葉であれば辛い・寂しい・孤独
など、人によってさまざまですよね。
ある利用者さんがこんなことに気付きました。
『ドキドキって嬉しい時と緊張してる時、どちらのことなんだろう…?』
確かに高揚感からくるドキドキと緊張感からくるドキドキだと含まれている感情はずいぶん違ってきますね。

人によってある感情を表す言葉はそれぞれ違うこと、そしてバリエーションは多く持っていた方が自分の感情を客観的に知ることができるのではないでしょうか。


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2017年9月12日火曜日

キャリアデザインに関するプログラム

皆さんは「キャリアデザイン」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?
キャリアデザインとは、生涯を通じての職業選択にかかわることのみならず、過去の学生生活や家族との生活、余暇や学習などの時間といった今まで歩んできた道のりを踏まえて、今後どのような道を歩んでいくと充実した生活になるのかを考えていくことです。

つまり、これから先の人生を歩んでいくう上で、「今現在、どんな自分であるのか」「これまではどんなことをして、どんなものが育まれてきたのか」「将来から見て今はどうか、これから手に入れていきたいものは何か」といった過去・現在・未来を振り返っていくことが重要となります。

では、実際にどのようなプログラムを実施しているのでしょうか?
キャリアデザインを描いていくうえで、自己理解を深めることは欠かせません。そこで今回は『希望について~これからやってみたいこと~』というプログラムについて紹介します。

「希望」というのは、将来に対する期待、または見通しという意味があります。
人は誰しも希望を持っており、それは個性が備わったものでもあります。そこで、子どもの頃から持っている憧れの職業を振り返り、その頃の希望を思い出しながら今現在や今後のビジョンに繋げて考えていくこととしました。

まずは子どもの頃に憧れていた職業を思い出していただきました。
・教師
・弁護士
・スポーツ選手
・海賊       …などなど
皆さん個性的なものばかりで、実際にその職業についていた方もいらっしゃいました。

これを踏まえて、子どもの頃に憧れていた職業の共通点について考えていただきました。
共通点を探すのに、苦労した方もいらっしゃいましたが、その職業の生き方に強く感銘を受けた方もいれば、自分の好きなことであるから、という方もいらっしゃいました。
また、転職活動中の方の中には子どもの頃の憧れを実現させようとしている方もいらっしゃいました。

そして最後に子どもの頃になりたかった職業を思い出しながら、今後の人生でやってみたいことを考えていただきました。
利用者さんの中には「子どもの頃、好きだったものを始めたい、研究したい」と仰る方もいれば、今の仕事の経験を活かして別の職業に就きたい、などさまざまでした。

「希望」というものはそんなに大そうなものではありません。自分の好きなことや憧れていることを実現したいと思うのは人間にとって当たり前の欲求だと思います。
実際に「子どもの頃の夢なんて…」と思う方もいらっしゃるでしょうが、過去を振り返ることで、自分が好きだったことや大切にしていたことを省みる機会になったのではないかと思います。
これから先の人生、どうなるのかは誰にも分かりませんが、どの道が正しかったのかも誰にも分かりません。

大事なことはこれから先の人生をどう歩んでいくか、まずは自分のことを知ることからだと思います。


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2017年8月22日火曜日

旅行に関するプログラム

8月もお盆を過ぎましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
お盆のお休みを利用して、旅行された方も多くいらっしゃると思います。
最近のキウイでは、「旅行」をテーマにしたプログラムが多くなっています。

まずは、ディベートです。
8月14日は、「旅行をするなら国内?海外?」というテーマで、ディベートを行いました。
国内チームからは、
・日本の四季を楽しむことができること
・海外に比べれば費用が抑えられること
・国内旅行をすることで、結果として、その地域の経済に貢献できること
などが主張されました。
一方、海外チームからは、
日本では経験できないような体験ができることについて、実際の体験談をもとに主張をされていました。
また、最近では、非常に安く海外へも旅行ができることを具体的な値段を示して、話をされていました。
両チームともに、熱い戦いを繰り広げられました。
そして、結果は、僅差ですが、国内チームが勝利されました。

また、最近、新しく始めたプログラムにプレゼン大会があります。
7月31日のプレゼン大会のテーマは、「8月にオススメの旅行プラン」でした。
日程や場所、費用、観光スポット、交通手段、宿泊地などを調べて頂いて、旅行会社が作るパック旅行のようなプランをチームで作ってもらうものです。
当日は、3チームに発表をしてもらい、

①富士山と御来光
②一泊二日なごやの旅
③夏休み 那須2泊3日 JR+レンタカーの旅

が提案されました。
各チーム、絵を用いたり、そこでの体験談を話したり、評価者の趣味に合った観光スポットを紹介するなど工夫されていました。
最終的に、一番、評価の高かったプランは、「一泊二日なごやの旅」でした!

そして、8月21日のプレゼン大会でも同じように旅行のプランを提案していただきましたが、今回のテーマは、「9月の3連休にキウイのみんなで旅行をする際のプラン」という設定で、取り組んでいただきました。

今回は、日程は9月の3連休、場所は大阪・京都と指定をしました。

日程と場所を指定したことで、7月31日よりもより具体的なスケジュールを各グループとも提案していたように思います(乗車する新幹線の時間を決めているグループもありました)。
また、他のグループと被らないように、オススメのイベント(岸和田だんじり祭り)や穴場スポット(京都の大原)を提案するグループもありました。
参加者がキウイの利用者であることを考慮し、人が多い場所よりも、静かで癒されるような場所の方が良いだろうと考えるグループもありました。
各グループ、違いを生み出そうと、とても趣向を凝らしていました。

このように旅行を扱うプログラムを、最近、多くやっていますが、会社を休職されている方の中には、引きこもりがちな生活を過ごされている方が多くいます。
そのような方が、このようなプログラムを通して、外の世界に少しでも目を向けられるようになれば良いなあっと思っています。
実際に、プログラムの感想で、「プレゼン大会をやったことで、実際に、そのプランで旅行したくなりました」っという感想を聞くと、とてもうれしく思います。

引き続き、「旅行」をキウイで扱っていこうと思っています。


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2017年7月13日木曜日

2017年7月のディベート&フォーマルデー

先月からキウイでは、「フォーマルデー」という日を設定しました。

普段のキウイでは、運動療法のプログラムもあるため、利用者の皆様には動きやすい格好で来ていただいています。
しかし、キウイは復職を目指すデイケアであることから、「たまには、仕事を意識した格好をする日があってもいいのでは?」といういう話が起こり、そのような日を設定することになりました。

仕事を意識した格好なのでスーツとは限りません。
仕事での格好が作業着の人もいれば、私服の人もいると思います。
また、利用者様の状態によっては、仕事の服装を考えただけで、ストレスを感じられる方もいます。
あるいは、休職したことで太ったり、痩せたりと体形に変化が生じる利用者様も多くいます。
そのため、フォーマルデーを通して、「格好の面から仕事を意識したり、回復度合いを確認すること」「体形の変化に気づくきっかけになること」を目的としています。

そのようなフォーマルデーですが、月に一度、ディベートプログラムの日に開催しています。
仕事を意識した格好で行うことで、ディベート自体も引き締まったものになっているように感じます。

今月のフォーマルデーは、7月10日(月)でした。
その日のディベートのテーマは、「フランスにおける『オフラインになる権利』を本邦においても、導入すべきか否か」でした。
『オフラインになる権利』について、知らなかった利用者様も多く、皆さん、熱心に調べ、賛成・反対それぞれの立場から主張をされていました。
結果は、賛成派が勝ちましたかが、今までのディベートの中でも一番の接戦となり、両チームともディベート後は達成感溢れる表情をされていました。

来月以降も引き続き、ディベート&フォーマルデーを恒例プログラムとして行っていく予定です!


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2017年6月12日月曜日

なぜ認知行動療法がリワークで行われるのか?

現在、多くのリワーク施設において、認知行動療法が実施されています。
認知行動療法は、うつ病や不安障害、適応障害といった精神疾患はもちろんですが、精神疾患とまではいかないけれども、何か困難にぶつかった時に、それを乗り越えていけるような心の力を育てる方法として、注目されている精神療法(カウンセリング技法)の一つです。

そのため、復職後の再発を防ぐ効果が期待できるため、キウイでも認知行動療法をプログラムとして取り入れています。

しかし、再発を防ぐこと以外にも、認知行動療法がリワークに合っていると思える点があります。
それは、認知行動療法の方法(プロセス)とビジネスにおけるプロセスが、似ていると感じることです。
似ていると感じるのは、下記の点です。

①問題状況をしっかりと把握することが重要であること
認知行動療法では、ストレスを感じるパターンをしっかりと分析・把握すること(アセスメント)が重要です。
その上で、そのパターンのどこを修正・対策するのか決めます。
ビジネスも同様に、まずは業務プロセスや現状をしっかりと分析し、その上で、提案や解決策を検討する点が、認知行動療法と似ています。

②対策や解決策を定量的に評価すること
認知行動療法では、対策の評価を数値で表現することが多いです。
例えば、対策前の不安が90%だったのに対して、対策後は20%になったっと言うように。
ビジネスも同様に、解決策の効果を定量的に評価することが望まれます。
対策を行ったことで売り上げが、どれくらい変わったか?
対策を行ったことで、コスト(費用や時間など)がどれくらいカットできたか?
などです。
この点においても、似ていると言えます。

③解決策を実行して評価し、また解決策を考え、実行するっという繰り返しが重要なこと
認知行動療法では、対策を考えたら、実施計画を立て、実施し、結果を評価します。
その上で、また、対策を考え、新たな実施計画を立てます。
認知行動療法では、このように「実験」的に繰り返すことが重要です。
ビジネスでも、PDCAサイクルっと言う手法が一般的となっています。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)→Plan→Do…っというように繰り返すことで、業務を改善していく手法ですが、この手法も「実験」的な認知行動療法と似ていると言えます。

このように認知行動療法のプロセスとビジネスにおけるプロセスには、共通点が多いように思います。
この共通点の多さが、認知行動療法がリワークの利用者様にもなじみやすく、有益なのではないかっと考えられます。
また、逆に、認知行動療法を学ぶことで、ビジネススキルの向上にもつながるかもしれません。


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2017年5月13日土曜日

仕事にも必要な右脳活動

この投稿をご覧になられている皆さんの中には、脳に関する言葉で「右脳」「左脳」という言葉を聞いたことがある方も多くいると思います。
脳は、前頭葉、後頭葉など様々な部分があり、それらの部分が異なる機能を担っているという説を「脳機能局在論」と言います。

この説と関連して、始めに紹介した「右脳」「左脳」という言葉が広く一般に知られています。
右脳は主に、
・空間認知力
・芸術的な創造性
・直感
などを担当しているとされます。
一方、左脳は主に、
・論理的思考
・分析力
・言語力
などを担当しているとされます。

この右脳、左脳に関する説を科学的に疑問視する考えもありますが、この右脳・左脳論の観点から働くということを考えてみると、
現在のビジネスパーソンは、仕事における時間とエネルギーの大半を正確さと速さを競う左脳活動に使っていて、
人間関係や相互尊重、協働といった右脳活動は疎かになりがちと言われています。

具体例を挙げてみると、
・メールでは、情報を正確に伝えること、認識の齟齬を防ぐことが最重要で、多少ぶっきらぼうなメールが当たり前
・報告資料、メールでは、誤字脱字はないか、数字は適切かなど誤りがないことが当然
・進捗管理、タスク管理が厳密で、ほどほどの速さが必要(早く作業を終えると、新しい作業を振られるため)
・(SEに限って言えば)アルファベット1文字間違える、半角スペースと全角スペースを間違えるだけで、プログラムが動かなくなる
っと、確かに左脳作業がほとんどかもしれません。

皆さんの職場では、どうですか?

しかし、だからといって、右脳活動が仕事において不要なのではなく、右脳活動によって温かく、協力的な職場環境となり、メンタルヘルスの面で有益と考えられます。
また、協力的な職場環境となることで、集団による相乗効果によって、より創造的なアイディアが生まれるかもしれません。
このように、仕事場面では右脳活動も必要と言えます。

キウイでも行っているアサーション(自分にも相手にも優しい自己主張)は、協力的な職場環境を築く上でも、右脳を活性化する上でも有効なのではないかっと思います。


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2017年3月17日金曜日

ディベートプログラムについて

キウイでは、毎月、ディベートを行っています。

ディベートとは、与えられたテーマについて、肯定チーム、否定チームに分かれて行う討論会です。
討論を行う肯定チーム、否定チームに加えて、討論内容を評価する評価チームもあります。

今月のディベートは、3月11日(土)に行いました。
今回のテーマは、「プレミアムフライデーの是非」についてでした。

プレミアムフライデー肯定チームからは、以下の主張がされました。
  1. 自分の有給休暇の日数を知らない人が、日本では諸外国と比べて多いこと
  2. 有給休暇を取得することに対する罪悪感を、日本人は他の国の人に比べて感じやすいこと→したがって、残業時間を減らすきっかけとして、プレミアムフライデーが有効なこと
  3. プレミアムフライデー初日の大手デパートの売り上げから、経済効果的にも有益
  4. 各企業がプレミアムフライデーに合わせて、様々な対応をしており、将来性があること
一方、否定チームからは、以下のような主張がされました。
  1. プレミアムフライデーで早く退社しても、最も多かった退社後の活動は、「自宅で過ごした」であること
  2. プレミアムフライデー初日、実際に早く帰ることができた人は、5%にも満たないこと
  3. プレミアムフライデーに配慮し、重要な28年度政府予算案の採決が延期されたこと
  4. プレミアムフライデーのキャンペーン費用は莫大なものであり、そこまでして行う必要があるとは思えない

それぞれの主張に対して、質疑応答が行われ、結果は、僅差でしたが、否定チームの勝利となりました。

ディベート後の皆様の感想では、
  • 「的確な質問ができるように、質問力をつける必要を感じました」
  • 「もっと評価者はどこを評価対象としているかを意識しようと思います」
  • 「話しをする際はとても緊張しました」
  • 「情報を集め、まとめる作業が大変でした」
っというような意見がありました。

ディベートは、チームワークや時間配分、プレゼンテーション能力、情報収集能力、他者への思いやりなど、様々な能力が求められるワークです。

今後もルールを修正し、様々なテーマで続けていきたいと思います。


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2017年2月27日月曜日

2017年3月のプログラム

2月も残りわずかで、もうすぐ3月ですね。
3月と言えば、卒業のシーズンです。
キウイでも、何人かの方がもうすぐキウイを卒業(職場復帰)されようとしています。
寂しい気持ちもありますが、復帰後も元気に、働き続けてほしいなあっと思います(笑)

そして、引き続き、キウイの利用者様が少しでも早く、確実に復帰できるようにサポートしていきたいと思っています。
そんな、3月のキウイのプログラムを紹介します。


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2017年1月17日火曜日

グループワークを終えました

以前にご紹介したグループワークについてですが、ひとまず発表を終えることができました。
発表は2グループが行い、下記の通り、模造紙1枚で内容を説明して頂きました。

<1つ目のグループ>

1つ目のグループは、グループのメンバー1人1人が自分に必要と思われることについて調べ、それを合わせる形で発表していました。
その結果、質疑応答の時間では、「グループとして何を訴えたいのかが曖昧」という意見がありました。
確かに、グループでの発表という点においては、そのような意見が出ても仕方ないように思います。
しかし、その分、自分に必要な課題については深く調べることができたのではないかと思います。
実際に、この発表を行ったメンバーの多くが、グループワークで調べた内容を復職や復帰に活かそうと努力されています。
また、今回のグループワークでは、”利用者自身が自分の課題を解決しようというモチベーションを高めること”を重要な目的としていたため、その観点で言えば、十分にこのグループはグループワークの目標を達成できたのではないかと思います。
引き続き、スタッフとしても、発表された内容がその方の復帰に活かされるように関わっていきたいと考えています。


<2つ目のグループ>

2つ目のグループは、まず、1人1人が休職の原因を分析したのち、復職に向けて自分たちはどのようなサポートを必要としているのか?また、復職後、再発を防ぐためにどのようなサポート機関があるのかを発表していました。
1人1人の休職原因について、グループで共有したことで、休職原因といっても1人1人に違いがあり、従って、1人1人が復帰に向けた努力を個人として行うことの必要性を感じていただけたのではないかと思います。
また、サポート機関を調べて頂いたこともとても良かったと思います。
当然のことですが、リワークデイケアを卒業され、復帰されると、今まで通りにデイケアに来ることができなくなります。
そのため、デイケアの代わりに利用できるサポート機関について知っておくことは重要と考えられます。
(余談ですが、復帰する上では、リワークデイケアというサポート資源を失うことに耐えることも必要となります)
さらに、このグループは、復職に向けて自分たちに必要なサポートを発表の場を利用して、スタッフに提案していました。
当院のデイケアは、スタッフと利用者で協力して運営していきたいと考えており、このような提案はとても望ましいと考えています。
スタッフとしては、利用者さんが気兼ねなく提案をできる環境を作りたいと思っています。


<まとめ>

今回のグループワークは、初めての試みであり、反省点も多くあります。
反省点は、しっかりと今後のプログラムで活かしていきたいと思います。

このようにPDCAサイクルをどんどん回し、よりよいリワークデイケアを目指していきます。

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